現代の茶道具

智美術館の「現代の茶−造形の自由」に行く。



 ここ1−2年に製作された茶道具の展示会で、陶芸作家に自由な発想で作品を発表してもらうため、2006年から隔年で開催されているそうである。智美術館自体が茶道具のコレクションで有名であるし、茶室で、作家の作品で抹茶を飲みながら解説するイベントも行われたそうだ。

 陶芸作品の展示だけで金工や木工は無かったが、流石に近代美術館の展示と被っている作者もいる。それだけ評価が高いということだろうか。もっとも、こちらの方が展示がガラスケースに入っていないために鑑賞の自由度が高い。これは比較的狭い会場の効用だろう。

 印象に残ったものは
秋山陽の「無題 MV-104」

赤土をそのまま固めたような、非常に力強い作品。ひび割れた部分の岩のようなテクスチャと滑らかな焼き物の表面の落差が面白い…んだけどちょっと茶室には大きいような。
同作者の「無題 MV-103」は同じ質感の鉢でこちらも良い。

北村純子の「Vessel10-B」

黒地の鉢に、小さな白い三角で模様を描いたもの。近くに寄った細密な印象と、遠景での流れるようなシルエットがとても魅力的。

 茶に興味がなくても、純粋に造形的に楽しめる作品が多い。行って損はないかなと。